2016年09月21日

絶対悲鳴をあげて




「いいや、わたしにはきみという人間がよくわかっている」
 アルガーの陽気な騎馬兵の定期的な出撃を見守るセ?ネドラと女友だちの表情はしだいに気むずかしいものになっていった。ミンブレイト人の女性の例にもれなく、アリアナはじっとしているのが好きで、男たちが外で活動している間、おとなしく待ち続けていた。一方、ガリオンのいとこであるアダーラは、閉じこもっていることには我慢できなかった。アルガー人である彼女は馬の背にまたがり、風を顔に受け、ひづめの音を耳にしていなければ気がすまなかった。時間がたつにつれ、彼女は不機嫌になり、何度もため息をつくようになった。
「さて、今日は何をしましょうか」朝食後、セ?ネドラは快活な口調で二人の友人にきいた。
「お昼まで、何をして楽しむ?」彼女はすでにその日の計画をたてていたので、少しわざとらしい言い方になった。
「いつものように刺繍をいたしませんこと」アリアナは肩をすくめた。「手と目を使っていても、心と口はあいているからおしゃべりができますわ」
 アダーラは大きなため息をついた。
「それとも外に出て、農奴たちを訓練しているわたくしのご主人を見に行きません?」アリアナは少なくとも一日の半分はレルドリンをみつめて過していた。
「かがり火を持って人殺しに出かける人たちをまた見送る気になれないわ」アダーラは少し気むずかしそうに言った。
 セ?ネドラは、口論になりかけそうな気配をさえぎるようにして言った。「見まわりに行きましょうよ」彼女はいたずらっぽく提案した。
「セ?ネドラ、もう十数回は小要塞や兵舎を見てまわったじゃないの」アダーラは少し声を荒げた。「今度、あの年老いた軍曹から馬鹿ていねいな石弓の説明をきかされたら、わたしやるわ」
「でも、要塞の外はまだ見ていないでしょう」王女は抜け目なく訊いた。「それもわたしたちの任務だと思わない」
 アダーラは素早く王女を見た。ゆっくりと、その顔に微笑みが浮かんだ。「たしかにそうね。今まで思いつかなかったのが不思議だわ。わたしたちって、本当に不注意ね」
 アリアナは心配そうな顔をしていた。「ローダー王は、きっとそんな計画に反対なさいますわ」
「ローダーはここにいないわ」セ?ネドラは言った。「フラルク王と一緒に、物資集積所の在庫を調べに出かけているわ」  


Posted by carrie5566 at 11:11Comments(0)

2016年09月21日

絶対悲鳴をあげて



「いいや、わたしにはきみという人間がよくわかっている」
 アルガーの陽気な騎馬兵の定期的な出撃を見守るセ?ネドラと女友だちの表情はしだいに気むずかしいものになっていった。ミンブレイト人の女性の例にもれなく、アリアナはじっとしているのが好きで、男たちが外で活動している間、おとなしく待ち続けていた。一方、ガリオンのいとこであるアダーラは、閉じこもっていることには我慢できなかった。アルガー人である彼女は馬の背にまたがり、風を顔に受け、ひづめの音を耳にしていなければ気がすまなかった。時間がたつにつれ、彼女は不機嫌になり、何度もため息をつくようになった。
「さて、今日は何をしましょうか」朝食後、セ?ネドラは快活な口調で二人の友人にきいた。
「お昼まで、何をして楽しむ?」彼女はすでにその日の計画をたてていたので、少しわざとらしい言い方になった。
「いつものように刺繍をいたしませんこと」アリアナは肩をすくめた。「手と目を使っていても、心と口はあいているからおしゃべりができますわ」
 アダーラは大きなため息をついた。
「それとも外に出て、農奴たちを訓練しているわたくしのご主人を見に行きません?」アリアナは少なくとも一日の半分はレルドリンをみつめて過していた。
「かがり火を持って人殺しに出かける人たちをまた見送る気になれないわ」アダーラは少し気むずかしそうに言った。
 セ?ネドラは、口論になりかけそうな気配をさえぎるようにして言った。「見まわりに行きましょうよ」彼女はいたずらっぽく提案した。
「セ?ネドラ、もう十数回は小要塞や兵舎を見てまわったじゃないの」アダーラは少し声を荒げた。「今度、あの年老いた軍曹から馬鹿ていねいな石弓の説明をきかされたら、わたしやるわ」
「でも、要塞の外はまだ見ていないでしょう」王女は抜け目なく訊いた。「それもわたしたちの任務だと思わない」
 アダーラは素早く王女を見た。ゆっくりと、その顔に微笑みが浮かんだ。「たしかにそうね。今まで思いつかなかったのが不思議だわ。わたしたちって、本当に不注意ね」
 アリアナは心配そうな顔をしていた。「ローダー王は、きっとそんな計画に反対なさいますわ」
「ローダーはここにいないわ」セ?ネドラは言った。「フラルク王と一緒に、物資集積所の在庫を調べに出かけているわ」  


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